『探偵はもう、死んでいる。』の1巻をあまりの面白さに一度も休まず読破しました。
ええ、僕はシエスタ推しです!!!
ここからは、『探偵はもう、死んでいる。』1巻の感想と考察レビューを紹介しますので、ネタバレが嫌だよという方は見ない方がいいかと思います。
読み終わった後に、本記事を読んで僕自身の考察と比較しながら楽しんでもらえたらと思います!
- 既に1巻を読み終えた方
- ネタバレを気にしない方
- 他人の考察に興味がある方
上記、ポイントに当てはまる方は、ぜひ読み進めて見てください。
Contents
『探偵はもう、死んでいる。』1巻のストーリー
1.名探偵シエスタとの出会い
本作品は、4年前に起こった飛行機ハイジャック事件から始まります。自称・巻き込まれ体質の君塚君彦は”ある人”の依頼で黒服に中身も知らないアタッシュケースを持って、海外に飛んでいました。
そこで、飛行機ハイジャック事件に巻き込まれ名探偵を名乗るシエスタと出会い、助手となります。
そこから<世界の敵>と闘うため目も眩むような冒険劇を繰り広げーー
シエスタは死んでしまします。
2.平凡な学生生活、そして夏凪渚との出会い
シエスタが死んでからは、<世界の敵>と闘う名探偵の仕事を継ぐわけでもなく、平凡な学生生活に戻ります。
そんな君塚君彦のもとに同級生の夏凪渚がやってきます。
「一つ、依頼がしたいの」
夏凪渚は君塚君彦に”会いたい人がいるがそれが一体誰か分からない”正体不明の人探しの依頼をします。
その背景には、1年前におこなった夏凪渚の心臓移植が関係していました。心臓移植によって引き起こる”記憶転移”と呼ばれる現象により、元の心臓の持ち主が会いたがっている人物が夏凪渚が会いたがっている人物だったということです。
夏凪渚は君塚君彦の推理によって導かれた事実を受け止めながらも、心臓移植のおかげで助かった命だからこそ、元の心臓の持ち主に恩返しがしたいと依頼の継続をお願いします。
そして、君塚君彦はこの依頼を了承します。
翌日、2人は心臓の持ち主を探しに出かけます。訪れたのは小学生の頃からの顔見知りで、君塚君彦が巻き込まれ体質だったことで、やたらと殺人現場で出くわした警察官の加瀬風靡のもとでした。
加瀬風靡とともに別荘(刑務所)を訪れ、現れたのは<コウモリ>と呼ばれる人造人間。コウモリという名はコードネームで、百キロ先の人の話し声を聞き取ることのできる地獄耳の持ち主です。
なぜ、コウモリのもとへやってきたのか、その理由は
”コウモリの能力で聞き分けた心臓の鼓動と一致した人物に会ったことがあるか調べるため”
でした。コウモリは昔話を始め、4年前の飛行機ハイジャック事件に遡ります。コウモリは正体とは、そしてシエスタと君塚君彦の最初の出会いが明らかになります。
- コウモリは、4年前の飛行機ハイジャック犯だったこと
- 秘密組織<SPES>の存在、コウモリはその構成員であること
- 人造人間は”あるもの”を<核>に生みだれた怪物であること
コウモリとシエスタの激しいバトルが繰り広げられるなか、シエスタは予め事件が起こることを予測し、君塚君彦にマスケット銃の入ったアタッシュケースを持たせて飛行機に搭乗させていました。
君塚君彦が受けていた依頼の”ある人”とはシエスタだったのです。
シエスタは、マスケット銃でシエスタの血で作られた紅い弾丸を放ち、血を浴びた者はマスターに二度と逆らえなくなり、コウモリは、シエスタに攻撃することができなくなりました。こうしてシエスタたちが勝利し、コウモリは刑務所に送られました。
ここで気になるのは、
- シエスタも人造人間と同じような能力を持っているということなのか
場面は戻り、コウモリは夏凪渚の心臓の持ち主に会ったことがあると言います。そして触手で夏凪渚を殺そうとしますが、殺せませんでした。
「ーーシエスタ、お前なのか」
そう、夏凪渚の心臓が『シエスタ』のものだったからです。だとすると、夏凪渚が君塚君彦のもとへやってきたことも、いきなり君塚君彦を抱きしめたりなどの行動にも納得がいきます。
そしてこの心臓が探し続けていた正体不明の人物が君塚君彦だった、、なんてロマンティックな展開なのでしょう。
3.スーパーアイドル斎川唯の依頼
夏凪渚の依頼が完了し、帰ろうとしていると突然、眼帯の美少女、斎川唯に話しかけられます。
「時価三十億円のサファイアが盗まれるのを、未然に防いでほしいんです!」
ある日、斎川唯のもとへ『斎川唯のドームライブ当日、時価三十億もサファイアをいただく』という手紙が届き、それを未然に防いで欲しいという依頼でした。
これを聞いた夏凪渚は依頼を引き受けます。シエスタの意志を継いだ名探偵として。
その時価三十億もサファイアは、斎川家の宝物庫にある家宝『奇跡のサファイア』であると斎川唯は言います。3年前に両親を亡くしているため、斎川家の当主は斎川唯です。
警察には事前に相談したが、既に起こった事件にしかアクションを起こしてくれないため、君塚らのもとへ来たというのです。
君塚君彦は、斎川唯のライブリハーサルにも参加し、事前の準備を済ませ、犯行予告当日を迎えます。
犯人に狙われたのは、宝物庫にある家宝『奇跡のサファイア』ではなく、眼帯で隠していた斎川唯の左眼でした。
斎川唯の左眼はサファイアのように美しい青い瞳をした義眼だったのです。君塚君彦はそれにいち早く気付き事前に対策することで事件は未遂に終わりました。
これで事件解決と思いきや、お礼を言う斎川唯に対して君塚君彦は言います。
「俺と夏凪を殺せなかったペナルティについては大丈夫なのか?」
斎川唯の本当の狙いは、
- 犯人たちと組んで君塚らを殺そうとしていた。
- 宝物庫には爆薬が仕掛けられていた
君塚君彦は、事前に警察に相談していたと言う斎川唯の証言が嘘であることに気付き、加瀬風靡に相談は受けていないと確認していました。
なぜ、斎川唯がサファイアのことを黙っていたのか、宝物庫にあると嘘をついたのかが明らかになります。
斎川唯は<SPES>に「その左眼を奪われたくなければ、君塚君彦を始末しろ」と脅されていたのです。
そして斎川唯の義眼がコウモリと同種のもので、物体を透視することができるものでした。それが<SPES>が固執する理由だったのです。
亡くした両親から授かった義眼を守る為に、君塚君彦を騙し殺そうとしたが、失敗に終わり、今度は自分が<SPES>から始末されてしまうという立場になってしまい、どうしたらいいのか分からなくなってしまった斎川唯でした。そこで、夏凪渚は友達になろうと提案します。
「この3人が敵対関係では敵の思うつぼ…むしろ俺たちは一緒にいるべきだ。共通の敵を持つ、仲間同士として」
君塚君彦は夏凪渚の言葉に続き、斎川唯に語りかけます。
「助けてくれるんですか…ーーはい、喜んで」
こうして斎川唯が仲間に加わり、今まで以上に<SPES>に狙われる非日常を踏み出していきます。
4.シャーロット・有坂・アンダーソンとの出会い、そして名探偵の遺産
君塚君彦は夏凪渚と斎川唯の3人で、海へ8日間のクルージングの旅に出ました。
「今さら再会するとは思わなかったわ、キミヅカ」
この章では、1年ぶりの再会となるシャーロット・有坂・アンダーソンとの出会いから始まります。
シャーロット・有坂・アンダーソンはアメリカと日本をルーツに持つ、君塚君彦と同い年の女の子。軍人である両親から厳しい教育を受けてきた彼女は、軍事業務のひとつである<SPES>との交戦でシエスタと君塚君彦と行動をともにすることもありました。
君塚君彦とは顔を合わせば喧嘩ばかりの犬猿の仲ですが、シエスタを非常に慕っていて、シエスタのことをマームと呼んでいます。逆にシエスタはシャルという愛称で呼んでいました。
シャルはマームが<SPES>を倒すための意志を世界中に残している、そしてこの豪華客船にマームの意志があると言い、それを探しに船に乗船していました。
シャルがマームが意志をこの船に残している情報を掴んでいるということは、<SPES>も掴んでいる可能性が高いと君塚君彦は予測します。
そして最悪が始まり、、
夏凪渚が何者かによって誘拐されました。斎川唯の左眼の透視能力を駆使して夏凪渚を探しますが、見つかりません。
君塚君彦は3年間の中で、その”見えない”敵と既に出会っていました。
「周りくどい真似はもう沢山だ。とっとと出てこいよーー<カメレオン>」
夏凪渚を誘拐した犯人は名は<カメレオン>。その異名の理由は周囲の景色に同化して消える能力を有しているためです。
しかし、<カメレオン>は夏凪渚を簡単には殺さないと言います。夏凪渚はシエスタの心臓を宿しているからだと。
なぜ、そこまで執拗にシエスタの心臓にこだわっているのか。
「私も最近まで知らされていなかったですがーーアレは普通じゃない」
「我々にとっては、つい最近事情が変わったのだということだけお伝えしておきましょう」
と<カメレオン>は言います。
これらの発言から推測できるのは、
- つい最近事情が変わった
→コウモリとの接触により、シエスタの心臓が存在していることを知り、驚異に感じている? - シエスタの心臓は”普通”じゃない
→心臓が<核>で、コウモリの攻撃を防いだ理由につながるのか
そして、<カメレオン>との激しいバトル展開を繰り広げます。
姿を隠せる<カメレオン>に君塚君彦は苦戦しますが、シャルがヘリコプターから銃撃で応戦し、夏凪渚を救出し立て直します。
しかし、戦闘は人造人間である<カメレオン>に分があり君塚君彦はかなりの傷を負ってしまいます。
そこで、目の前に現れたのは夏凪渚でした。
「君の顔を見るのは1年ぶりだけど、少し目つきが悪くなったね」
そこにいたのは、見た目は夏凪渚だが、中身はシエスタでした。
「君ーー私の助手になってよ」
この背景には夏凪渚が、シエスタに「君塚君彦を助けて欲しい」とお願いをして、特例で夏凪渚の身体を使っていると夏凪渚の姿をしたシエスタは説明します。
そして、君塚君彦とシエスタの2人でカメレオンと戦いながら、昔話をします。楽しかった思い出、今だから言える本音、さまざまな思いが交差している感動のシーンです。
<カメレオン>を退けることに成功し、1巻は終了します。
『探偵はもう、死んでいる。』1巻の感想
控え目に言って最高でした!
単純なミステリーものではなく、ラブコメあり、バトルあり、ファンタジーありの今までにないジャンルで世界観に引き込まれてしまいます。
1巻では、各章で主要な登場人物ひとりひとりにフォーカスしつつ、物語として読者をワクワクさせてくれる構成でつくられています。
各キャラクターの些細な言動や行動から次々に伏線を回収していく感じは読んでいてとても爽快感があり、気持ちよかったです。
キャラデザのイラストも可愛く、キャラ推しのためだけでも読めてしまいます!!シエスタああああああああああ
また、ラノベの表紙を挿絵として活用する手法については驚かされました。表紙が挿絵に登場した時は何度見したことか…
『探偵はもう、死んでいる。』というタイトルの名の通り、探偵であるシエスタが死んでしまってからの物語ではありますが、”探偵の意志”を受け継いだキャラクター達が今後どのようにシエスタと絡んでいくのか先が気になる作品でした。
『探偵はもう、死んでいる。』1巻の考察
ここからは、1巻でまだ解決していない言動や行動、僕自身が気になった場面を振り返って考察していきます!
人造人間について
飛行機ハイジャック事件の際にシエスタが言った、
「人造人間は”あるもの”を<核>に生みだれた怪物であること」
そして、カメレオンとの戦いの際にシエスタが言った、
「あれは…完全に<種>に乗っ取られたね」
というワードから何かしらの種を埋め込むことで人造人間が生み出されているのではないでしょうか。そして”乗っ取られる”ということから適合者と不適合者が出ている可能性があるような気がします。
シエスタも人造人間と同じ能力を持っている?
カメレオンとの戦いでカメレオンが言った、
「私も最近まで知らされていなかったですがーーアレは普通じゃない」
という言動から、シエスタも心臓を<核>にした能力を持っている可能性が高そうです。
実際、飛行機ハイジャックでコウモリはシエスタに攻撃できなくなりましたしね。
斎川唯の左眼
シエスタと同じく、斎川唯も左眼に”透視”の能力を有しています。
気になるのは、両親から授かったもので、その両親は死んでしまっている点です。そこについては、まだ説明が出てきていないので気になるところです。
斎川唯が<SPES>に狙われているところから推測すると、両親は能力を与えることができる義眼を開発した人物で、開発が<SPES>にバレて狙われたとかでしょうか。殺される前に義眼を娘に授けたてきな。
加瀬風靡について
加瀬風靡は<SPES>のことを知っている人物です。
やけに君塚君彦に対して協力的な気もしますし、<SPES>を倒したい強い気持ちについて詳細は明かされていませんね。
夏凪渚の過去
夏凪渚は1年前に死にかけて、心臓移植で助かっています。
死にかけた事情も明かされておらず、偶然なのかシエスタの心臓を授かっています。
シエスタの死と同じ”1年前”というワードは今後の展開に大きく関わってきそうです。
まとめ
以上、『探偵はもう、死んでいる。』1巻の感想・考察レビューをご紹介しました。
2巻についても感想と考察記事を執筆したいと考えているので、ぜひまた読みにきてください!