今回は「プロゲーマーへの道」の連載記事初回として、プロゲーマーを仕事にしてみたいけど、どうしたらなれるのか分からないという方に向けてプロゲーマーのなり方を丁寧に解説していきます。
プロゲーマーになるための条件から収入源までを解説しますので、記事を読み終わった後、一歩踏み出せるようになっています。
ぜひ、参考にしてみてください。
Contents
プロゲーマーとはどんな職業?
プロゲーマー(professional gamer)
ゲーム(コンピューターゲーム)の大会などに出場して賞金や報酬を得る者、職業としてのゲーマーのこと。エレクトロニック・スポーツ関連に狭めれば、組織に所属している選手を指して「eSports player」と呼ぶ。
プロゲーマーは、 eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)という一種のスポーツとして捉えられています。
ゲームのジャンルは、格闘ゲームやシューティングゲーム、スポーツゲームなど様々あり、 サッカー選手や野球選手などのゲーム版ということですね。
eスポーツ大会の賞金はどれくらい?
eスポーツ大会の賞金は桁違いに高く、海外の大会では有名タイトルには億を超える大会が多く開催されています。
大会賞金をまとめてみました。
Dota2 -The International 2018
賞金総額 約27億6200万円
Fortnite -Fortnite World Cup
賞金総額 約32億4800万円
LoL -2018 World Championship
賞金総額 約7億2000万円
オーバーウォッチ -オーバーウォッチリーグ
賞金総額 約5億4000万円
レインボーシックス シージ -Six Invitational 2019
賞金総額 約2億1600万円
ハースストーン -Hearthstone World Championship 2019
賞金総額 約1億800万円
PUBG -PUBG Global Invitational 2018(PGI 2018)
賞金総額 約2億1600万円
サラリーマンの生涯年収が約2億円と考えると、とんでもない金額ですよね。
一攫千金…夢のある職業と言えるでしょう。
日本のeスポーツ大会で賞金が出ない理由
もちろん日本でもeスポーツ大会が開催されていますが、日本の場合は賞金が出ない大会や賞金総額が少額の大会がほとんどです。
それには日本の法律により、グレーゾーンとされていることが問題となっています。
プロゲーマーを目指すためにも、現在のeスポーツ界の状況について知っていきましょう。
eスポーツにおける3つの法的障壁
法的環境1.景品表示法
eスポーツでは、ゲームメーカーが開発・販売している商品を競技として行うため、ゲームメーカー自身が優勝賞金等を広告や宣伝費としての”景品類”に該当し、景品表示法に関わる告知として以下の制限が適用されてしまう可能性があります。
懸賞による景品類の提供に関する事項の制限
2 懸賞により提供する景品類の最高額は、懸賞に係る取引の価額の二十倍の金額(当該
金額が十万円を超える場合にあっては、十万円)を超えてはならない。
そのため、日本でeスポーツ大会を開催する場合は、大会賞金10万円が上限となってしまうのです。
法的環境2.賭博法
競技の参加者から一定の金銭を徴収し、総額の一部を賞金として提供する場合、”賭博行為”に該当するのではないかという指摘があります。
賭博と博及び富くじに関する罪
第百八十五条
賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
つまり、競技の参加者からテラ銭(参加料)を徴収し、大会優勝者に徴収した金額の一部を渡し、主催者側が丸儲けしているのでは?という疑いが賭博と同じだからです。
法的環境3.風営法
ゲームセンターが主催した大会において、遊技の結果に応じて商品(賞金)を提供することは違反行為になる疑いがあります。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令
第二十三条
2 第二条第一項第四号のまあじやん屋又は同項第五号の営業を営む者は、前条第一項の規定によるほか、その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない。
また、eスポーツ練習施設を商業展開する場合、ゲームセンターと同等の扱いを受ける可能性があります。そうなると、ゲームセンターと同じように営業時間や年齢制限などの規制に従う必要があるのです。
いえ、そうではありません。
日本のeスポーツ界を発展していくためにも、2018年2月1日に日本のeスポーツを牽引する団体が立ち上がりました。
日本eスポーツ連合(JeSU)が設立され、進展する
日本eスポーツ連合(以下JeSU)は、eスポーツ発展のために作られた団体です。
上記で述べた、法的問題の解決のために経済産業省をはじめとした関係各省庁との協議を行い以下の発表がされました。
プロライセンスの発行
JeSU公認タイトルゲームのeスポーツ大会で優秀な結果を残した者に対して、JeSU公認のプロライセンスが発行されます。
プロライセンスを持つ選手は、eスポーツ大会の賞金を”仕事の報酬”として受け取ることができるため、景品表示法に違反しなくなりました。
JeSUが公認するか、所定の審査基準に基づいて大会運営団体から審査を受け、参加資格の承認を受けた大会においては、プロライセンスに関係なく受け取ることができます。
eスポーツゲーム公認タイトルを発表
JeSUが公認したeスポーツゲームは以下の12タイトルです。
- ウイニングイレブン 2019
- ストリートファイターV アーケードエディション
- 鉄拳7
- デッド オア アライブ6
- パズドラ
- 『ぷよぷよ』シリーズ
- モンスターストライク
- レインボーシックス シージ
- Call of Duty: Black Ops 4
- GUILTY GEAR Xrd REV 2
- BLAZBLUE CENTRALFICTION
- BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE
上記のタイトルは、JeSU公認タイトルとして「ジャパン・e スポーツ・プロライセンス」、「ジャパン・e スポーツ・ジュニアライセンス」、「ジャパン・e スポーツ・チームライセンス」をJeSU公認大会において発行することができます。
公認タイトル以外でもプロライセンスが発行される場合もあります。
過去実績も含めて、JeSU公認の大会以外の国内外の大会で優秀な実績を残した選手のうち、JeSU 公認ライセンス取得にふさわしい選手を特別枠として推薦することができ、その中から JeSUが対象に十分な実績があり妥当と認めた特定の選手は例外として JeSU 公認プロライセンスの取得資格をもらうことができます。
賞金をスポンサーから直接授与することで賭博罪に該当しない
JeSUが関係省庁との話し合いを重ねた結果、賭博罪においては参加者と主催者だけの金銭のやり取りでしたが、賞金をスポンサーから直接授与することで、参加者の参加費は大会運用費用と判断され、賞金・商品に充当されないという結論に至りました。
2018年12月に日本国内で開かれた、サイバーエージェントのゲーム事業子会社サイゲームス(東京・渋谷)が運営している、人気カードゲーム「シャドウバース」の大会では、優勝者に賞金100万ドル(約1億1千万円)が贈られました。
今大会を主催したサイゲームスでは、これらの法的問題のハードルをクリアするため、出場者から出場料を徴収せず、賞金すべてを自社と協賛社のスポンサー料でまかなっています。
以上のことをまとめると、
- プロライセンスがあれば、確実に高額賞金を受け取ることができる
- プロライセンスは、実績を作れば受け取るチャンスがある
- サイゲームスのように、プロライセンスがなくても賞金を受け取れる大会は今後も続々出てくる可能性はある
ということです。
まだ世間からは「プロライセンスって本当に必要なの?」という声もあり、日本でのプロゲーマーの定義がはっきりと確立しているとは言えませんが、筆者の見解からすると、ゲーム関連で金銭の収入がある時点でプロゲーマーと名乗れると考えています。
プロゲーマーになるための条件
先ほども述べましたが、結論から言えば、ライセンス資格だけがプロゲーマーではありません。
なぜなら、冒頭で記載した通り、プロゲーマーとは”職業としてのゲーマーのこと”だからです。
ゲームに関連した収入があれば、プロゲーマーとして名乗ることが可能なのです。ゲームスキルが高く、大会上位常連のランカーで大会賞金だけで生活を賄う人も、ゲーム配信が魅力的でストリーマーとしての収入が多い人も同じプロゲーマーです。
必要なのは以下の2つです。
- ゲームスキル
- キャラクター(人気)
プレイヤースキルが優れているか、個人のキャラクター性が高く多くのファンを獲得しているか、最低でもどちらかの一つが必要になります。
この2つはゲームで収入を得るために必要なスキルだからです。
そのためにまずは、プロゲーマーの収入源を知りましょう!
プロゲーマーの収入はどこから?
プロゲーマーの収入は、主に次のような活動から得ています。
収入源1.賞金大会に参加(プレイヤー)
賞金が出る大会に参加し、良い成績を収めることで、収入を得ることができます。
気をつけたい点として、賞金大会に参加するには、まずeスポーツ化されているゲームを選択する必要があります。
eスポーツ化されたゲームのなかで腕に自信があるゲームがある方は別ですが、まだゲーム選びで迷っている方は、次回の『プロゲーマーへの道 vol.2』でゲームジャンル別で詳しく説明するので、楽しみにしておいてください。
日本では、13歳以上15歳未満は、ジュニア用プロライセンスが発行され、高額賞金を受け取ることができないというルールがありますので、気をつけてください。
収入源2.動画配信(ストリーマー)
YouTube・Twitch・OPENRECなどのプラットフォームで動画を配信し、広告収入を得ることができます。
大会で良い成績を収めることができなくても、個性をアピールし、知名度を上げることで、収入源にすることができるのです。
動画配信で収入を得るための方法として、大きく2つあります。
広告収入
動画配信中の画面にある広告がクリックされることで収入を得ることです。YouTubeは広告収入で有名ですね。Twitchも同様のマネタイズが可能です。
ドネーション(投げ銭)
動画配信中に魅せるプレイをした際に、視聴者から受け取る機会が生まれる有料アイテムになります。YouTubeはもちろん、ニコ生やOPENRECなどでもこのシステムを採用しています。
収入源3.スポンサー獲得
大会で良い成績を収めたり、動画配信で人気になると、スポンサーから声がかかり、チームに所属することができます。
そうなると、毎月給料として報酬を受け取ることが可能です。
人気や実力により、額は変動しますが、普通の会社勤めのサラリーマンより、多く安定して収入を得ることが可能になります。
収入源4.イベント出演や書籍出版など
上記以外にも、大会で良い成績を収め、動画配信などで人気がでてきた場合、グッズ販売やイベント出演、中には書籍を出版しているプロゲーマーも存在しています。
「好きなことで生きていく」時代だからこそ、個人に魅力をつけていくことは、とても重要と言えますね。
プロゲーマーになるためにやるべきこと
プロゲーマーになるために、次の5つを参考にしてみてください。
方法1.ゲームのスキルアップ
当たり前のことですが、プロを目指す以上、ゲームが上手くないといけません。
プロゲーマーの平均練習量は、平均10時間以上です。好きなことで生きていくためにも努力を惜しまずに練習しましょう。
方法2.大会に参加
ほとんどの大会は、アマチュアでも参加することが可能です。
大会で良い成績を収めることでスポンサーの目に留まり、契約に繋がることがあります。
積極的に大会に参加していきましょう。
方法3.動画配信をする
動画配信は誰でも気軽に始めることができます。
大会と一緒で、動画配信者として有名になったり、プレイスキルを公開したりすることでスポンサーの目に留まり、契約に繋がることがあります。
プロやアマチュア関係なく、活用していきましょう。
方法4.専門学校に行く
今では、プロゲーマーを育成する専門学校があります。
数はまだ少ないですが、プロゲーマーとしてだけでなく、ゲーム実況者コースなど様々あります。
まとめ
プロゲーマーは、あなたのゲームが好きという強い気持ちをお金にすることができる夢のような職業です。
サッカー選手や野球選手と同じ、完全に実力主義の世界ではありますが、好きなことで生きていくことができる、今の時代にあった生き方です。
広告収入など、様々なマネタイズができるからこそ、大会以外での収入も意識して動くことで、一般的なサラリーマンより多くの収入を安定して得ることもできます。
一度きりの人生、本気でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。